2008年3月17日 アジア大都市ネットワーク21の活動について ◯鈴木委員 それでは、私からは、アジア製旅客機中小型ジェット旅客機の開発に関して質疑をさせていただきたいと思います。 東京都は、石原知事が提唱したアジア大都市ネットワーク21の共同事業として中小型ジェット旅客機の開発促進プロジェクトに取り組み、アジア製のジェット旅客機の実現に向けてさまざまな努力を重ねてまいりました。このアジア地域では、欧米製ではなく、アジアの力を結集して旅客機をつくろうという知事の発想は、アジアに新しいアイデンティティーをもたらすものとして、私としては大いに共感できるものであります。 こうした中、経済産業省と三菱重工業が進めてきた国産ジェット旅客機であるMRJの開発が佳境を迎え、いよいよ事業化に向けた最終判断を行う段階に来ていると聞いております。長年国産旅客機の開発が行われてこなかった我が国にとって、MRJが事業化にこぎつけることは、YS11以来四十年の悲願が達成されることであると考え、私にとっても大変うれしいことであります。 航空機産業は、高度な技術を集約する付加価値産業であるとともに、部品点数が三百万点にも及ぶすそ野の広い産業であります。一たび国産旅客機の事業化が成功し、量産が実現すれば、都内の中小企業にも幅広く波及効果があるだけでなく、さまざまな新技術の普及が進んで、産業全体の高度化にも結びつくものと期待をされているところであります。国産旅客機の事業化という大きな節目を迎え、東京都としては、アジア製旅客機の開発促進にこれまで以上に力を入れて取り組むことが重要な時期に来ていると私は感じています。 第一点目として、東京都としてアジア製旅客機開発についてどのような考え方に基づいて取り組みを進めるかについて伺います。 〇猪熊国際共同事業担当部長 中小型ジェット旅客機の開発促進は、アジアの航空需要の増大をアジアの航空機産業発展の好機ととらえ、これをアジア連帯の強化、ひいては世界でのアジアの存在感向上につなげるため、アジア独自の中小型ジェット旅客機の開発を促進するものでございます。 航空機産業は、ご指摘のとおり、最先端の技術を活用し、技術の波及効果も大きく、産業の高度化に資するとともに、産業のすそ野が広く、中小企業を含め東京の産業全体の振興につながるものでございます。アジア製旅客機の開発に向けては、日本を含めたアジア各国政府、航空機メーカーなど、関係者が開発の意義を理解し、取り組みに向けた機運が生まれることが重要でございます。 都は各方面に働きかけ、その方向に関係者をまとめるための触媒としての役割を担うことが重要と認識してございます。このような考え方に基づき、都はこれまでも国内の航空関係者を広く集めた検討委員会で、求められるアジア旅客機像などを検討してまいりました。 また、この検討委員会と連携した形で、アジアの航空機メーカー、エアラインなどが一堂に会する国際会議を開催し、アジアでの共同開発の意義、アジア市場の将来性などについて議論する機会を提供し、関係者の理解を促進してまいりました。こうした議論は、今回事業化判断を目前としている国産旅客機の開発にも大きな後押しとなったものと認識しております。 これらに加えまして、来年度からは新たにアジア人材育成基金を活用し、首都大学東京にアジアの優秀な人材を受け入れ、航空機にも適用できる新技術の開発の研究を実施してまいります。 〇鈴木委員 旅客機の開発には日進月歩の技術革新が求められ、それを担う高い専門性を身につけた数多くの人材が必要であるというふうに考えられます。すぐれた技術や研究機関の集まる東京において、アジアと連携して人材育成や技術開発を進める取り組みには大きな意義があるというふうに思います。 首都大学東京での新たな取り組みには、アジア人材育成基金を活用するということでありますが、まさに基金の趣旨にかなったものとして大変高く評価をしているところでもあります。首都大学東京を活用した航空機関連の人材育成と、新技術開発の取り組みの意義と内容を改めて伺います。 〇猪熊国際共同事業担当部長 首都大学におけるこの取り組みは、これまで都が進めてきた機運醸成に向けた取り組みから一歩進んだ、アジア旅客機の開発促進に欠かせない、アジアとの連携をより具体化するものでございます。具体的には、アジアの留学生を首都大学東京博士後期課程に受け入れまして、宇宙航空研究開発機構と共同で、日本が世界的に見て高度な技術を擁する素材の分野におきまして、アジア製旅客機など、次世代の航空機への適用を目指した新技術の研究を行います。航空機用の素材は、自動車や医療機器などへの転用により他産業への技術波及効果が期待され、産業全体の高度化に貢献するものでございます。 また、留学生が航空機関連の研究機関やメーカーなどで活躍することを通じまして、研究者間の人的ネットワークの構築及びアジア全体の技術力の向上を図ってまいります。 〇鈴木委員 今答弁がありましたけれども、アジアの留学生、特にASEAN諸国と、それから日本との関係の中で、私も自分で海外の航空関係の会社を経営している関係で思うのは、また今感じているのは、非常に日本との交流というものをアジアじゅうの方々が望んでいます。非常に日本を高く評価をし、そして日本へのあこがれを持っているという現実があります。もしかするとこれは、日本人が我々の日本というものを過小に評価をしているぐらいのものがあると思います。 ですから、日本として、また東京として、それだけの技術があるものを、人材を交流する中で、そして日本が持っているものをアジアの平和と安定、または今いった経済の発展に向けての交流に、ぜひその力をかしていくということが、私は本来の国際貢献の意味でもあり、本当の意味でのお互いの協力関係を構築していくという、アジアのアジアネットワーク、石原知事がつくった21の本来の趣旨であろうと思うのです。 特にこの航空機産業というのは、先ほども答弁にもありましたけれども、非常にすそ野が広く、しかも技術革新が行われていきます。まさにアジアの諸国の若い人たち、留学生も含めてですが、そういう専門的な技術を身につけて、それぞれの国に寄与したいと。その技術を持って自分の国に帰って、その国の国力を富ませるため、または国のために働きたいという、そういう気持ちを持った留学生が非常に今、日本に多く来ているという現実もあるわけでありまして、そういうところを見たときに、この旅客機、またはアジアネットワーク21が果たしている役割の大きさを、議会も、それから理事者の方々もぜひ大きくとらえていただいて、それがこのアジアに対して果たしていく役割の大きさが非常にあるということをぜひ心にとめていただいて、これからも努力をしていただければと思います。 今申し上げましたが、アジアの旅客機は大きな、大変大きな意味があるということであります。これはもうぜひ積極的に、しかも大胆に決断をして進めてもらいたいと思います。アジア大都市ネットワーク21という、アジアの都市に共通する課題に連携して対処するという、まさに石原知事の先見性に満ちた取り組みは非常に高く評価されるものでありますし、これまで以上に、それをむしろ十分に使いこなしていく、世界のアジアの国々からの期待にこたえて、十分にそれを使いこなしていく必要があるというように思います。 今後のアジア大都市ネットワーク21の活動の一層の発展にかける局長の決意を伺いたいと思います。 〇大原知事本局長 アジアの諸国あるいは諸都市が東京に対して有する期待といいますか、要望、こういったものにこたえて具体的な行動を起こすことが今東京に求められている、これは先生ご指摘のとおりだと思います。 そういった趣旨でアジア大都市ネットワーク21は、欧米に匹敵するポテンシャルを持ちますアジアの大都市が、儀礼的な国際交流にとどまらずに、危機管理あるいは産業振興など大都市共通の課題を解決するために共同して事業を推進し、アジアの繁栄と発展を目指すものでございます。 これまでに環境問題や感染症対策など、個別の共同事業では、都の持つ優秀な技術や先駆的な施策の情報提供などによりまして、会員都市の間で新たな取り組みが進みますなど、大きな成果を上げてきたというふうに考えております。また、行政職員の能力の向上につきましても、多岐にわたる分野での研修生の受け入れなど、都はこの分野でも先駆的な役割を果たしてまいりました。 今後は、新たに設置をいたしますアジア人材育成基金を活用いたしまして、人材育成のさらなる充実を図りますとともに、人材育成と個別の共同事業を有機的に結びつけまして、育成した人材を課題解決に生かすなどの工夫を加えて、着実に実績を積み重ねてまいりたいと思います。このことによりまして、アジア大都市ネットワーク21の活動をさらに充実発展をさせて、アジア全体の繁栄と発展に貢献していく所存でございます。 2007年6月21日 平成19年財政委員会 新公会計制度について ◯鈴木委員 それでは、質問に入ります。 さきの第二回定例会開会日の所信表明で、知事は、昨年四月からは複式簿記・発生主義に基づく全く新しい公会計制度を導入し、行政のあり方そのものを根底から変革する試みを進めるなど、質的な行革にも先駆的に取り組んでおりますと述べられました。 さらに、一昨日の我が党の代表質問においても申し上げましたように、都で取り組まれたこの公会計制度改革は、まさに本質的な改革であり、地方自治体のあり方をも変えていく画期的なものであると確信をしています。その意味においては、都が全国で初めて複式簿記・発生主義会計を導入した意義は大きいものと考えます。 ただ、職員の皆さんにとっては、なれ親しんだ官庁会計方式から、頭を切りかえ、複式簿記の会計処理に的確に対応するのは、決して容易なことではなく、いろいろとご苦労も多かったのではないかというふうに推察するところであります。 これから新公会計制度による初の財務諸表が作成、公表されることになりますが、すべてがシステムにより自動出力されるわけではなく、人の手で照合、入力する作業が必ず必要となるはずです。そこで、財務諸表の作成状況や今後その中で示される内容について、順次質問したいというふうに思います。 まず最初に、全国初となる財務諸表の作成に向け、庁内各局は現在どのような状況なのかを伺いたいと思います。 ◯安藤参事 これまで、会計管理局では、職員向けの説明会やTAIMS掲示板での情報提供、複式検査の実施など、複式簿記による会計処理が適切に行われるよう取り組みを行ってまいりました。 制度導入当初は、各局からの問い合わせも多くございまして、事務処理に時間を要することなどがありました。特に、財産につきましては、財産情報システムで管理している膨大なデータとの照合が不可欠でございまして、これまで財務会計システムとのデータ照合作業を繰り返し実施してきました。また、建設中の資産が完成した際に、本資産への振替業務を行いますけれども、それを迅速かつ正確に行うのに手間取る面もございまして、これまで的確な処理を行えるよう努力を重ねてまいりました。 導入から一年以上が経過しまして、ようやく各局職員も複式簿記に関する基礎的な知識を習得して、財産についてもデータの精度が向上してきたところでございます。 今度、五月末に出納整理期間が終了いたしまして、本格的な決算作業を始めるに当たり、六月上旬に各局実務担当者向けの財務諸表作成説明会を開催したところでございまして、複式の仕訳が正しく行われているかの点検や、公有財産などとのデータの照合、引当金など非現金項目の算定など、現在、正確な財務諸表の作成に向けて、鋭意取り組んでおるところでございます。 ◯鈴木委員 財務諸表の作成については、全国でも前例のない初めてのことで、職員の皆さんも大変ご苦労されていると思いますが、他の自治体に範を垂れる意味でも、ぜひ頑張って取り組んでいただきたいというふうに思います。 ところで、一昨日の会計管理局長の答弁では、今回の決算において、一般会計及びすべての特別会計について、会計ごと及び局ごとに財務諸表を作成し、さらには、事業別の情報についてもわかりやすく示していくため、各局と検討を進めると答弁をされています。 しかしながら、都では、各局においてさまざまな事業が展開されているところであり、網羅的に対象とすることには無理もあると考えますが、事業別の情報についてはどのような視点から事業を選ぶのかを伺います。 ◯安藤参事 先生お話しのとおり、都においてはさまざまな事業が展開されております。それらをすべて示していくのは困難でございます。そのため、数多くある事業の中でも、複式簿記・発生主義会計の視点で効果的な分析が期待できる各局の主要な事業を対象に示していきたいと考えております。 今後、財務局を初め、関係各局と具体的な事業の選定について調整を図ってまいります。 ◯鈴木委員 今、最後に答弁されたように、関係各局との具体的な事業の選定というのは、相当緻密にしていかないと、漏れがあるとまた、諸表に対してもいろいろな疑問が出たり、計数の整理とか、そういったことで難しさが出ると思いますので、その辺は本当に慎重にお願いしたいとも要望しておきたいと思います。 そうした中、事業別の情報も、ただ数字が並んでいるだけでは、その事業がどういう状況なのか、今後どうすべきなのか、実際のところがよくわからないように感じられます。都においては、官庁会計では明らかにされなかった数々の情報を分析し、評価し、都民や議会にわかりやすく提示されるよう検討されるということでありますが、もう一度、事業別の情報がどのようにわかりやすく提示されるかをお伺いいたします。 ◯安藤参事 事業別の情報では、減価償却費や金利など、従来明らかではなかった行政コストに係る情報を示すとともに、資産、負債などのストックに係る情報もあわせて明らかにしていきます。 さらに、事業の状況をわかりやすく示すため、一規模当たりどの程度コストがかかるのかを示すことも視野に入れまして、今後、財務局を初め、各局との調整を十全に図ってまいります。 ◯鈴木委員 他の自治体においても、かつての都と同様に、官庁会計の決算数値を組み替える方式で財務諸表を作成するところがふえてきましたが、日々の会計処理から、複式簿記・発生主義会計を導入し、事業別の財務諸表まで作成している自治体はまだありません。住民の利益となる真の行政運営の実現のためには、都も、この新公会計制度を他の自治体に発信していくべきと考えます。特に、都内二十三区との連携が重要であり、都から積極的に普及させていく必要があると考えます。 そこで、新公会計制度についての特別区における検討状況についてお伺いをいたします。 ◯鈴木委員 今、答弁の中にあった、システムの導入に関して、特に総務省の研究会における会計基準の検討の動向というのは、都が実際に進めていこうとする制度とは、もしかしたらかなり隔たりのあるものになる可能性というのはあるわけですよね。ですから、その辺も踏まえて、都が確固たるものをつくっていくということを明らかにしていくためには、例えば東京都と今いった二十三区が、本当に連携をとれるような形での新しい公会計制度というようなものが、やはり連携をとれてできていくということが非常に都民、区民にとってわかりやすいものになると思いますので、その辺の努力というのはぜひお願いしたいと思います。 今年度は、財務諸表分析の初年度ということで、まだ単年度の情報しかありませんが、今後は、民間の例にもあるように、財務諸表から得られるようなさまざまなデータについて、経年変化の把握を行う、また相対比較の中で事業分析をしていくというようなことが大変必要であると思います。まさに、知事もいわれたと思いますが、質的な行革への取り組みが本来のものになって始まっていくというように思うんですね。ですから、ある程度、その取り組みというのは、都民、議会のみならず、全国の自治体が大いに注目もし、また期待もするところでありますので、その辺のところを踏まえていくべきだというふうには思います。 その点を踏まえて、この決算を迎えるに当たっての局長の決意を伺いたいと思います。 ◯三枝会計管理局長 ただいま、初の決算を迎えるに当たりまして、大きく三つの点についてお話があったというふうに思います。 まず最初に、事業別の情報など財務諸表から得られる決算情報を、都民や議会の皆様にわかりやすく提供するということでございます。 第二点といたしましては、特別区を初め、これは都の連携を深めて、都の新公会計制度を、総務省とも対峙をしながら情報発信していくということであったかと思います。 この二点、私どもも非常に重要な課題であるというふうに考えておりまして、それぞれにつきまして、具体的な手法について工夫を凝らしてまいりたいというふうに考えております。 それから、三点目といたしまして、いわば質的行革との関係でございます。この公会計制度改革を実のあるものとしていくためには、明治以来百年以上にわたりまして官庁会計になじんできた職員一人一人が、金利感覚であるとか、コスト意識であるとか、民間企業では当然の経営感覚を根づかせる、これがまず不可欠だろうというふうに考えております。 しかしながら、現状を見ますと、なかなかこの意識改革を進めるのは難しい面もございます。このために、今後とも継続的な取り組みを一層強化していく必要があるというふうに考えております。 さらに、今回の決算でございますけれども、これは財務諸表分析による新しい質的行革といいますか、これのスタートを切ろうとしている、そういった段階であろうかというふうに思います。したがいまして、決して今回の決算は到達点ではなくて、出発点であると考えております。 今申し上げましたようなこと全体を含めまして、今回の決算は、知事がいっております行政の本質的な改革、この長い道のりに向けての最初の一里塚を築く、そういった仕事であるというふうに認識しておるところでございます。 そうした認識のもとに、この秋に向けまして、正確でわかりやすい財務諸表を提出できるよう、財務局を初め庁内各局と十分に連携を図りながら、万全を期してまいりたいと思います。 2006年11月8日 財政問題について 〇鈴木(隆)委員 それでは、質疑に入らせていただきます。 初めに、財政問題についてお伺いをいたします。 平成十七年度は第二次財政再建推進プランの折り返しの年に当たります。この時点における取り組みの成否が、最終的にプランの目標達成が可能となるかどうか、つまりは財政再建が期待どおりに進展するかどうかの重要な分岐点であったといえます。十七年度決算をこうした観点から見れば、実質収支の黒字転換を果たすとともに、財政の弾力性を示す経常収支比率も、九二・六%から八五・八%へと大きく改善するなど、全体としてプランの取り組みが着実な成果を上げていることがうかがわれます。 そこでまず、十七年度決算の実績を踏まえた都財政の現状認識についてお伺いをいたします。 〇谷川財務局長 都財政は、財政再建推進プランの取り組みが功を奏し、十七年度決算では十六年ぶりに黒字となり、経常収支比率も大幅に改善するなど、プランの目標を一年前倒しで達成することができました。財政再建に一つの区切りをつけることができたわけでございまして、そうした点で十七年度は都財政にとって大きな節目の年になったと認識しております。 しかしながら、目指すべきところは、決算の黒字化や指標の改善だけではなく、社会状況が変化し、増大することが見込まれる新たな財政需要に対しても積極的に対応できる、強固で弾力的な財政基盤を確立することにあります。その目標に照らせば、現状はあくまで通過点にしかすぎず、十七年度の成果に決して満足することなく、引き続き財政構造改革に取り組む必要があると認識しております。 〇鈴木(隆)委員 都は、職員定数の大幅な削減など、国や他の自治体に先んじて財政健全化に取り組んできたものであり、ようやくここに来てその成果が明らかになってきております。しかし、都財政は体力を回復しつつあるものの、いまだ十分に足腰が強化された状態ではありません。都財政の貯金ともいえる基金を例にとれば、今年度末には六千億円台の水準にまで回復する見込みであるとのことでありますが、かつて一兆円を超えた残高が、バブル崩壊後、瞬く間に底をついたことを思えば、到底安心できるレベルではなく、一兆円の確保を目指すべきであります。 また、減債基金の積み立て不足、多摩ニュータウン事業の欠損金など、隠れ借金についてもここ数年で大幅な圧縮に努めてまいりました。そうした努力が財政健全化に大きく貢献していると考えますが、それでもなお、多額の隠れ借金を抱えているのも事実であります。特に減債基金の積み立て不足は四千三百五十億円が残されており、いまだ財政構造改革の足かせとなっています。 加えて、今年度より導入された財政指標である実質公債費比率、これは自治体の健全性をはかる新たなバロメーターであり、オリンピック招致などにも大きな影響を及ぼしますが、この指標を算出する際にも、減債基金の積立不足額が数値の悪化要因となってしまうことは、私も先日の分科会で質問をしたところであります。 今後とも、財政構造改革を続けるに当たっては、足かせとなっている隠れ借金の早期圧縮、とりわけ減債基金積み立て不足の早期圧縮を優先課題とすべきと考えますが、見解をお伺いをいたします。 〇谷川財務局長 先ほど、今後の財政運営に当たって、強固で弾力的な財政基盤の構築を目指していくと申し上げましたが、そこで問題となってくるのが基金の残高不足と隠れ借金の存在であります。そのため、ご指摘にもあったように、基金残高の回復と隠れ借金の圧縮に積極的、優先的に取り組む必要があると考えております。中でも減債基金の積み立て不足は実質公債費比率を悪化させるものであり、都財政にとって大きな負担となっております。その早期解消を今後の予算編成の中で具体的目標としていきたいと考えております。 〇鈴木(隆)委員 隠れ借金のような過去の負債をできる限り速やかに解消することが、都財政の足腰強化に直結し、ひいては都民生活の将来展望に明るさをもたらしてくれるものだと思います。こうした取り組みを積極的に推進していただきたいと思います。 さて、あらゆる観点から見て、都財政はいよいよ次なる段階へ歩みを進めるべき時期を迎えているといわざるを得ません。これまでの緊縮財政を基調としたプランの終了後、どのような将来像を描いていくかが問われているということであります。 そうした状況下、都は、ことし七月、プランにかわる新たな財政運営の方向を示す、今後の財政運営の指針を策定をいたしました。来年度からはこの指針に沿って都財政のかじ取りが行われていくことになります。 この指針を読みますと、従来の考え方を一新する思い切った取り組みが盛り込まれていることがわかります。量から質へ、短期から中長期へ、そして財務局主導から各局の主体性を重視する体制への転換など、これまでの財政運営に根本的な方向転換を促す内容となっています。 財政構造改革はいまだその途上にあります。予算編成手法の見直しなど、今回の指針に明らかにした具体的取り組みを決して絵にかいたもちに終わらせることのないよう、一つ一つ着実に実現をしていくことが大切であります。そのためにも我が党は協力を惜しまないところでありますが、何よりも事業を所管する各局の職員が自主的かつ主体的に行動していくことが必要であることをこの際強調をしておきたいと思います。 そこでお伺いをいたします。都は、財政再建の成果を都民に還元するとともに、さらなる財政構造改革を進めていくことが必要と考えますが、局長の決意のほどを伺います。 〇谷川財務局長 バブルの崩壊という荒波をかぶり、財政危機に陥って以降、都議会、都民の皆様のご協力をいただきながら、わき目も振らず財政再建に取り組んできたというのがここ何年かの財政運営だったと思っております。そうした取り組みがようやく実を結び、成果となってあらわれたのが十七年度決算であったと考えております。 大切なことは、この成果を次の世代に引き継いでいくことであります。そのため、一つには、十年後の東京を見据えながら、東京の都市基盤の確実な整備、環境問題への先駆的な取り組み、福祉、医療の充実など、さまざまな形で都民に還元していく必要があると考えております。 また、先ほども申し上げた隠れ借金の圧縮や負の遺産の処理など、財政構造改革をさらに加速させることも必要であり、現在編成中の十九年度予算においては、その第一歩としていきたいと考えております。 〇鈴木(隆)委員 答弁にもございましたが、しっかりと、今の決意のとおり、着実に進めていただくことを要望しておきたいというふうに思います。 次に、都にとって非常に重要な問題であります法人二税のいわゆる人口配分論についてお伺いをいたします。 法人二税は、十七年度都税決算見込み額に占める割合が四五%を超える、都や特別区にとって非常に貴重な財源であります。このうち、法人事業税については、これまで主なものだけでも四回にわたる不合理な分割基準の見直しが行われ、都税収入への影響は、十七年度決算見込み額で八百億円余りの減収、十八年度には、十七年度税制改正の影響が生じるため、二千億円もの減収が見込まれています。 最近はこれに加え、都の人口一人当たりの税収の集中を指摘し、例えば人口を基準として法人二税の税収を配分してはどうかということまで主張をされてきています。 しかし、地方の財源は法人二税だけではありません。都は地方交付税を受けておらず、地方譲与税についても譲与制限を受けています。地方税全体に地方交付税と地方譲与税を加えた一般財源の歳入で比較したときに、都に歳入が集中しているといえるのかどうか、お伺いをいたします。 〇菅原主税局長 地方税に地方交付税、地方譲与税等を加えましたいわゆる一般財源の歳入額を、人口一人当たりで比較をいたしますと、平成十六年度決算において、全国平均を一〇〇とした場合の指数は、最高の島根県で一五四、最低の埼玉県で七三、東京都は全国平均を若干上回る程度の一一九となっておりまして、都に集中している状況にはございません。 〇鈴木(隆)委員 今の答弁にありましたように、一般財源の歳入で比較すれば、決して都に歳入が集中しているわけではないということは明らかであります。地方自治体間の財政力を比較する上で、法人二税の税収だけを取り上げて殊さら問題視することは、何の意味も見出せないということになるというふうに考えます。いまだ根強く主張されている法人二税のいわゆる人口配分論、あるいは地方法人課税そのものを撤廃しようとするような主張については、都は明確に反論をし、阻止すべきと考えますが、所見を伺います。 〇菅原主税局長 法人は事業活動を行うため地方自治体からさまざまな行政サービスを受けております。個人と同様、地域の構成員として応分の負担をすべきでございます。 法人二税の税収を人口基準で再配分いたしますことは、地域で活動しております法人と自治体の行政サービスとの応益関係などに着目して課税するという税制上の根拠を全く無視いたしまして、もはや地方税とは呼べなくなるものでございます。都といたしましては、都税制調査会をも活用いたしまして、税制のあるべき姿を検討するとともに、税収の人口配分論など、不合理な国の財源調整の動きに対しましては、他の大都市とも密接に連携をいたしまして、断固として反対をしてまいります。 〇鈴木(隆)委員 年末の与党税制改正大綱をにらみながら、今後とも国の動きを注視し、不合理な主張に決して屈することのないよう、大都市の自治体と力を合わせ、密接に連携しながら、地方法人課税の意義を全く無視した国の動きに反論をし、拒否することを要望して、次の質問に移ります。 次は、都区のあり方についてお伺いをいたします。 九月に発表されました平成十七年度東京都区市町村普通会計決算を見ますと、都内の市町村の財政状況は、上向いてはいるものの依然として厳しい状況が続いている一方で、特別区では全体的に改善が見られたとしています。 そこでまず、特別区の十七年度決算についてどのように評価をしているのかをお伺いいたします。 〇大原総務局長 特別区の平成十七年度決算の特徴でございますが、まず、歳入につきましては、特別区民税が都心区を中心に増収となりますとともに、特別区財政調整交付金が増加したことによりまして、一般財源が二十三区全体で対前年度比一千億円を超える大幅な伸びとなったこと、歳出につきましては、生活保護世帯の増加などにより扶助費がふえました一方で、職員数の減少などにより人件費が減となり、また、用地購入費の増などによりまして投資的経費が七年ぶりに増加に転じたこと、さらに財政指標につきましては、一般財源の増加により経常収支比率や公債費比率などが大きく改善をしたこと、最後に、将来にわたる財政負担につきましては、地方債残高が約一千億円減少をし、積立金残高が約一千百億円増加するなど、改善が見られたことが挙げられます。 これらの結果から見まして、平成十七年度決算における特別区の財政は、総じて良好な状況にあるものと認識をしております。 〇鈴木(隆)委員 特別区の財政状況は非常によいことがわかりました。もちろんこの背景には、特別区の行財政改革に向けた不断の努力があり、その点は率直に評価をするものであります。 しかし、一方で、これだけの財政力を持ちながら、特別区が基礎的自治体として十分な役割を果たしているかについては、私は疑問であると思います。 例えば、住民に最も身近なサービスである上下水道、これは都が直接公営企業として行っています。 まちづくりの分野でも、本来市が行う仕事のかなりの部分を都が担っている現実があります。平成十七年度の決算に占める土木費の割合を見ますと、全国の市町村の平均が一五・四%、都内市町村の平均が一二・四%、これに対し特別区の平均は、十七年度は増加したとはいえ、一一・〇%となっています。特別区の区域においても、将来にわたりまちの機能を維持向上するための投資は必要であり、現在の投資水準では十分とはいえない状況にあります。平成十二年の改革により、特別区は基礎的自治体として地域の事務を総合的に担う主体となりました。福祉サービスだけでなく、まちづくりについても、特別区がみずからの責任で、より主体的に取り組んでいくべきであります。 そのためには都から特別区への事務や権限の移譲が必要でありますが、例えば特例都道の整備や比較的大規模な区画整理事業などのまちづくり事業を見ても、都から事務を円滑に移譲するためには、現在の二十三に分かれた特別区の区域は狭過ぎるように思います。今後、特別区が大都市地域における真の基礎的自治体にふさわしい仕事を担うためには、特別区の再編を行う必要があると考えますが、都の見解を伺います。 〇大原総務局長 特別区は、平成十二年の都区制度改革によりまして基礎的自治体に位置づけられ、より広範に地域の事務を担い、みずからの責任で住民サービスを効率的に行っていくことが求められております。 委員ご指摘の、都から特別区への事務移管をさらに進めるに当たって、各区の区域が狭過ぎないかという視点に加えまして、生活圏、経済圏の広がりや、全国的な市町村合併の進展といった社会経済状況の変化、さらにはより効率的な行政運営の実現という視点からも区域を考える必要があると思います。 現在の特別区の区域は、昭和二十二年に現在の二十三区となりまして以降、六十年間区割りが変わっておりません。こうしたことを踏まえますと、再編を含めた区域のあり方につきましては、今や根本的に議論をしていく時期に来ているというふうに考えております。 〇鈴木(隆)委員 現在、都区のあり方について都区共同で検討が行われていると聞いています。特別区に事務をさらに移譲していくために、特別区の再編もタブー視することなく議論をし、これからの特別区のあるべき姿を積極的に示すことが重要であると考えます。まだ検討は緒についたところだとは思いますが、極めて重大な課題であり、腰を据えて十分な検討を行っていただきたいと思います。 そこで、今後の検討に当たっての決意を伺って、この質問を終わります。 〇大原総務局長 現在の都区を取り巻く状況でございますけれども、東京富裕論を振りかざして東京の財源をねらい撃ちしようとする動きがありますことや、国が特別区の財政状況に強い関心を示していることなど、極めて厳しいものがあるというふうに認識をしております。都と特別区は、こうした状況に対しまして、東京の発展が日本全体の発展を大きく左右するという共通認識を持ち、互いに協力をして、東京の自治のあるべき姿を確立していく必要があると考えております。 都区のあり方に関する検討会では、これまで五回にわたりまして、地方制度改革と東京の自治、都区の事務配分、特別区の区域のあり方、税財政制度に関しまして踏み込んだ議論を行ってまいりました。今後、各項目についての検討の基本的方向を取りまとめまして、具体的な検討に入ってまいりますが、都区の置かれた厳しい状況を踏まえつつ、東京の発展と都民、区民生活の向上のため、区域の再編を含めた都区のあり方について、誠意を持って特別区と議論を進めてまいります。 〇鈴木(隆)委員 次に、昨年度策定されました東京都国民保護計画についてお伺いをいたします。 東京都国民保護計画は、外国からの武力攻撃や大規模テロなどに対処して、都民の生命、身体及び財産を保護するために策定されたものであります。その特徴としては、世界の大都市でテロが頻発する状況を受けて、大規模テロ等への対処を重視している点であると聞いております。東京は人口や産業が集中することから、テロに対して脆弱な都市であるといえます。 そこで、東京都国民保護計画における大規模テロ等対処の主な課題は何か、また、都みずからどのような取り組みを行っているかをお伺いいたします。 〇大原総務局長 東京都国民保護計画では、突発的に発生する大規模テロに迅速かつ的確に対処するため、平素からの備えを十分行うとともに、発災時の初動対応力を強化することを主な課題としております。都におきましては、計画策定後、平素からの備えといたしまして、危機情報の収集、分析に加え、都庁舎を初め、都が管理する施設等におけるテロの未然防止を目的に、全庁的なテロ等警戒対応基準を新たに制定をいたしました。 また、初動対応力の強化といたしましては、計画に基づく大規模テロ災害対処訓練の実施ですとか、その成果等を踏まえましたNBC災害対処マニュアルの充実などを図っているところでございます。 〇鈴木(隆)委員 テロへの備えとして都施設の警戒態勢を整備していることはわかりましたが、東京にはテロの標的になりやすい民間の大規模集客施設が数多く存在しております。そこで、民間施設の危機管理について都はどのような対策を行っているか、伺います。 〇大原総務局長 テロを未然に防ぎ、都民の生命を守るためには、民間施設を含めました危機管理体制の強化が重要でございます。このため、都は、国民保護計画に基づき、本年九月、大規模集客施設の事業者と警察、消防など関係機関で構成する、テロ等の危機に関する事業者連絡会を全国で初めて立ち上げたところでございます。十月には危機管理セミナーを開催し、多くの事業者と危機情報の共有を図りますとともに、民間施設における警戒態勢の強化を働きかけました。 今後、都は、危機情報の提供はもとより、テロ対処訓練を連携して行うなど、民間事業者の危機対応力の向上を図ってまいります。 〇鈴木(隆)委員 都の施設だけではなく、民間施設の危機管理についても、東京都が先駆的に取り組んでいることは高く評価をいたしたいと思います。今後も民間事業者との一層の連携を図ってほしいと思います。 ところで、北朝鮮はことし七月五日に弾道ミサイルを発射し、十月九日には地下核実験を実施をいたしました。これは、我が国のみならず、北東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大かつ深刻な挑戦であり、断じて許すことはできません。 我が国政府は、北朝鮮に対して独自の経済制裁を実施することを決定し、十月十四日には国連安全保障理事会が北朝鮮制裁決議を全会一致で採択をいたしました。北朝鮮は六カ国協議への復帰には合意はしたものの、再度の核実験の準備が伝えられるなど、事態は予断を許しません。 都は、今回の核実験に伴い、都民の生命、安全を守るため、どのような対応を行ったのかをお伺いをいたします。 〇大原総務局長 都は、北朝鮮による核実験実施の情報を入手した後、直ちに情報の収集、分析を行う態勢をとり、区市町村に情報を提供いたしました。 また、全庁的な対策を実施するために、危機管理対策会議を開催し、各局の役割分担を確認しますとともに、放射線量の測定など、原子力災害対策に準じた取り組みを行うことといたしました。 さらに、北朝鮮への経済制裁に伴い不測の事態も懸念されることから、テロ等警戒対応基準のレベルを引き上げまして、都の施設における警戒態勢を強化いたしました。 今後とも、あらゆる事態に備え、迅速かつ的確に対処できるよう、危機管理に万全を期してまいります。 〇鈴木(隆)委員 今後も万全の態勢で危機管理を強化していくことを要望いたします。 続いて最後に、振り込め詐欺について質問いたしますが、時間の関係上、一問、二問まとめて質問させていただきたいと思います。 振り込め詐欺に関する報道を頻繁に目にしますが、先日の新聞記事では、都内の六十歳代の女性が、息子を装った男から、浄水器販売に失敗し会社の金を使い込んだ、監査が入るのですぐ振り込んでと指示され、振り込んでしまったという、おれおれ詐欺の事件がありました。 これまでも東京都は、敬老の日に、地元や警視庁と連携し、浅草寺において振り込め詐欺撃退キャンペーン等を行うなど、さまざまな取り組みを行っています。 一問目として、最近の振り込め詐欺の被害状況と、都が行ってきた対策についてお伺いします。 また、二問目として、新たな手口として、事前に息子や孫を装って携帯電話の番号等を変わったとしてだまし、後日その電話から口実を装って振り込みをさせるなど、悪質な被害がふえていると聞いています。このおれおれ詐欺に対する取り組みと本部長の決意をお伺いして、終わります。 2006年11月6日 今後のオリンピックの招致活動について 〇鈴木(隆)委員 それでは、引き続き私の方から質問をさせていただきます。 ただいま我が会派の高橋委員が、特別委員会の幕あけにふさわしく、オリンピックの意義や理念について質問をいたしました。私は、今後のオリンピックの招致活動について、具体的な提案を含め、お伺いをいたしたいと思います。 十月の決算特別委員会第一分科会において、私は、区市町村や民間企業など都内における招致機運の盛り上げについて質問をいたしました。そこで、本日は、エリア的により広げ、今後につながる招致活動について質問をいたします。 まず、国内の機運盛り上げについてであります。 東京都がこれまで行ってきた広報、PRなどの招致活動は、基本的には都内が中心でありました。七月に行った都民集会など、都も適宜イベントなどを行ってきたと思いますが、八月に東京が国内立候補都市に決まったからには、今後はその活動領域を全国に広め、国民全体の機運を盛り上げていかなければなりません。 思い返せば、一九六四年東京オリンピックの際には、オリンピックを成功させようという国民全員の強い思いが日本列島を貫いていたような思いがいたします。それは、外国から多くの選手を迎えることに対する日本人としての意識の高まりであり、さらには、国民の愛国心のあらわれであったのではないでしょうか。今回のオリンピックも、そのような国民全体の運動論に高めていく必要があると私は考えています。 その際、機運盛り上げの手法として、イベントの開催や各種広告媒体を使った国民や各種団体に対する働きかけはもちろん重要でありますが、地元や団体に影響力のある議員の力をおかりし、協力を仰ぐことも非常に有効であると考えます。一億二千万人の国民の意識を高めるには、都や招致組織だけで機運醸成に取り組んでも限界があります。地方自治体の議員や代議士の方々にもお願いをし、広告塔として積極的に活用すべきであります。前回の決算特別委員会では、都内区市町村のオリンピック招致議連の立ち上げを提言いたしました。国会議員についても同様に、招致議連を立ち上げるなど意識を高め、積極的に働いてもらうことが必要ではないかと思います。 そこでまず、都は国会議員に対してどのように働きかけを行っていくのかを伺います。 〇谷島東京オリンピック招致本部招致推進部長 オリンピックを招致するに当たり、都民、国民の招致機運の盛り上がりは重要な要素の一つと認識してございます。 都民、国民の招致機運の盛り上げは、都の外部に設置する招致組織に限らず、国会議員を初めとした議員と協力して行うことも効果的であり、国会議員による働きかけには大きな期待を寄せているところでございます。先日も、国会議員が組織するスポーツ議員連盟の総会におきまして、都の開催概要計画書の内容を説明し協力を依頼するなど、積極的な働きかけを行っております。 今後も、さまざまな機会をとらえ、多くの国会議員に東京オリンピックの計画やその効果などを積極的に説明し、招致に向けた活動にご協力いただけるよう努力してまいります。 〇鈴木(隆)委員 それでは次に、国の対応についてであります。 知事が常々話しておりますとおり、オリンピックはナショナルイベントであり、国の全面的なバックアップが不可欠であります。IOCの評価を受ける際にも、開催都市だけではなく国がどれだけ支援をしているのかが大きなかぎを握るといわれております。都はこれまで、国内での競争が行われているため、本格的な国との調整は行っていませんでしたが、国内の立候補都市が一本化した現在、遠慮なく国に対して協力依頼を行っていくべきと考えます。その点、八月三十日に東京に決まった直後、石原都知事が電撃的に小泉首相と安倍官房長官を訪問し、オリンピック担当大臣の設置を要請したことや、十月下旬には安倍首相へも国立競技場建設などについて協力要請を行ったことは、知事の非常に的を射た対応であると考えるところであります。 オリンピックが国家プロジェクトであるならば、国もオリンピック担当大臣を設置するなど、みずからの使命と認識して招致活動に参画すべきであります。そこで、国が積極的にオリンピック招致活動を行っていくよう、都として国に対しどのような働きかけを行っていくのか、見解を伺います。 〇谷島東京オリンピック招致本部招致推進部長 世界の強豪都市を相手にオリンピック招致を成功させるには、国の全面的なバックアップが不可欠でございます。 そのため、まずは関係省庁と協議を重ね、閣議了解を求めてまいります。また、オリンピック招致に向けた国の取り組みとして、例えば在外公館や外交ルートを通じた日本の外交手腕の発揮や国際競技力の向上のためのナショナルトレーニングセンターの複数設置など、国の積極的な対応を要望してまいります。 〇鈴木(隆)委員 わかりましたが、今私たちが行っているのはオリンピックの招致であります。招致に成功しなければ開催もあり得ないということを国がきちんと理解するよう、重ねて都の働きかけを要請しておきます。 続いて、他の都道府県との関係でありますが、オリンピック招致機運を日本全体に広めていくには、国のみならず、道府県、その傘下の市町村についても全面的に協力をいただくことが必要であります。特に九州の各県については、これまでの福岡市との競争のしこりが残らないよう、オリンピックの意義や開催したときの地方の効果などを丁寧に説明していかなければなりません。この点については、八月三十日に決まった後、熊野本部長が早々に福岡市を訪問し、招致担当者に対して協力の要請を行ったことを高く評価いたしたいと思います。 国民全体がオリンピックを熱望するような日本列島の運動論をつくり上げていくには、全国自治体の支援が不可欠と考えます。そこで、全国の自治体に対しどのように東京オリンピックの理解と協力を得ていくのか、都の考え方を伺います。 〇谷島東京オリンピック招致本部招致推進部長 国内での招致機運の盛り上がりを進めていくには、全国の自治体の積極的な協力が欠かせません。これまでも、八都県市首脳会議や関東地方知事会などにおきましても広域的に東京オリンピック招致に関しての説明を行い、招致決議をいただくなどしてまいりました。 今後は、招致機運の盛り上がりを全国に広めるため、全国知事会などの団体を通じまして東京オリンピックの計画やその効果などを積極的に説明し、理解と協力を求めてまいります。 〇鈴木(隆)委員 二〇〇二年のワールドカップサッカーでは地域サポーターという制度が実施され、各自治体が出場国のキャンプ地として手を挙げ、積極的な国際交流を行いました。当時の中津江村とカメルーンの交流が有名でありますが、この縁がきっかけで、中津江村とカメルーンのメヨメサラ市が姉妹都市提携を結び、現在でも活発な交流が続いていると聞いております。また、長野オリンピックでも一校一国運動によって小中学校と参加国との交流が行われ、子どもたちが国際的な見聞を広げるとともに、外国人と触れ合うさまざまな事業が行われました。 一つの提案でありますが、例えば東京オリンピックが開催されるということを念頭に置いたときに、都内の各商店街、その商店街と世界各国とが積極的な交流を図るような、そんなような企画があっても非常におもしろいと私は思いますが、これは一つの提案として考えていただければありがたいというふうに思います。また、このようにした世界との交流など、日本の各自治体や全国各地の住民が二〇一六年の東京オリンピックを身近なものと感じられるよう、積極的な対応をお願いしたいと思います。 先ほど高橋委員の質問に答弁があったように、オリンピックには、スポーツを通じて平和な社会をつくり上げていくという理念があります。それを全国民が一体となってつくり上げていく。さらに、日本人のおもてなしの心が、海外からの選手、来訪者を温かく迎え、世界平和の安定につなげていく。それがオリンピックムーブメントというものではないでしょうか。また、海外から多くの方々をお迎えするに当たっては、成熟した東京の魅力をさらに高め、ハード、ソフトの両面から東京をさらに住みやすい都市にしていくことは当然のことであります。そうした世界平和を求め、都市の魅力をさらに高めていくオリンピックの意義について、すべての会派の方々にご理解いただきたいと思います。 次に、国内の盛り上げ活動から少し離れ、国際的な招致活動についてお伺いをしたいと思います。 今から三年後、コペンハーゲンでIOCの総会があります。まさにその場所で二〇一六年のオリンピックの開催都市が決まるわけでありますが、その決定のための方法は、立候補都市のプレゼンテーションを行った後のIOC委員の投票であります。開催都市に選ばれるには、各都市に劣らない、すぐれた大会計画をつくることはもちろんのことでありますが、総会での投票の結果がすべてであることは、ことしの夏、私たちが経験したとおりであります。 IOC委員に東京に投票してもらうためには、委員に対するさまざまな働きかけ、いわゆるロビー活動を行っていく必要があり、今後はそのロビー活動の舞台を海外へ広げていく必要があると思います。一方で、IOC委員に対する働きかけなどは、ソルトレークでの買収疑惑以降、一定の制限や基準があるということも聞いておりますが、そこでまず国際的な招致活動を行うに当たってのIOCのルールについて、確認のためにお伺いをいたします。 〇谷島東京オリンピック招致本部招致推進部長 IOCは、オリンピック競技大会開催希望都市に適用される行動規範を策定し、原則として立候補都市にオリンピック憲章やIOC倫理規程及びその細則に厳格に従わなければならないと定めてございます。 具体的には、立候補届け出手続が開始された日、すなわちIOCが各NOC、これは各国のオリンピック委員会でございますが、に対して立候補届け出を招請した日以降、IOC委員への訪問の禁止、オリンピックの関係者に対する贈与の禁止、ライバル都市のイメージを害する行為や他都市との比較の禁止など、さまざまな制限が行われることになります。 また、IOCの行動規範によれば、立候補都市は、IOCが立候補ファイルを受理した後にそのプロモーションをすることができるとなってございまして、結論的にいえば、その前はプロモーションはできないということになってございます。 〇鈴木(隆)委員 招致活動に関しての厳しいルールがあるということはわかりました。 そうしたルールのもとでは、常に効果的な活動を行っていく必要がありますが、残念ながら、都にはそうしたノウハウは不足をしているのではないでしょうか。海外での招致活動を展開していくには、国の外交ルートだけではなく、民間企業の海外担当者など、官民を問わず国際的な友好関係を積極的に活用していくことが必要であります。例えば、元外交官でヨーロッパの要人に詳しい人やグローバルな経営を行っている日本企業のトップなど、広く人材を求めるべきと考えます。また、IOCの委員の中には各国の王族や貴族の方も多く入っていると聞いておりますので、日本の皇族の方々にも活動の一端をお願いすることも考えられるのではないでしょうか。 ここに新聞の記事がありますが、今月の四日の新聞でありますが、東京の最大のライバル、米オリンピック委員会が国際部門の強化というような記事があります。ちょっと文を紹介しますが、米国オリンピック委員会は次々に経験豊富な人材を要職に配し、国際的なパイプづくりを急いでいる。国際協力・政策部長へは国際オリンピック委員会から引き抜いたコロンビア出身の方が組織委員会についた。また、国際戦略・発展部長にはロサンゼルス五輪重量挙げ銅メダルのドラゴミル・チオロスラン氏を起用というようなことが書いてあり、それぞれスポーツ界に幅広い人脈を持つというようなことが記載されています。それに関して、統括するロバート・ファズーロ局長は、両者の起用は国際コミュニティで信頼されるパートナーになることを目指すアメリカ・オリンピック委員会の強い決意を示すものだということを話したということであります。 今申し上げましたように、やはりこれから東京が世界のそういうIOCの委員の方とアプローチまたは政策提言をしていくときに、今いった幅広いことを、ただ日本人の感覚だけではなくして、相手の国の立場まで考えたような幅広い思考、考え方を持って対応していくべきだということをこの新聞はいっているのではないかというふうに私は思います。ぜひそういう点も今後参考にしていただければ大変ありがたいというふうに思います。 また、そうした中で我が都議会自民党は、ことしの八月と十月、東京都議会自由民主党中華人民共和国訪問団を結成し、北京オリンピック関係者と会談し、北京オリンピックへの協力と東京オリンピック招致への協力依頼を行ってまいりました。中国は、アジアだけではなくアフリカ、南米とも有力な外交関係を有しており、そうした関係から、それらの地のIOC関係者に対する影響力を持っているといわれております。二〇一六年のオリンピック招致に当たって、中国の力をかりることは非常に重要と考えます。あえて申し上げますが、北京オリンピックに対して東京都または日本がどのような協力体制を組むかということが問われるといっても過言ではないというふうに思います。北京オリンピックの大成功に向けて日本が最大の努力をしていく、最大の努力をする姿勢がある程度目に見えることが非常に大事なことになるということをあえてここではいわざるを得ないというふうに考えています。 また、二〇〇八年の北京オリンピックには全IOC委員が北京を訪れることになります。さらに、前年にはプレオリンピックと称して、北京オリンピック選考会を兼ねたさまざまな競技の国際大会が行われます。したがって、来年、再来年の北京は、二〇一六年のオリンピック招致の最も重要なロビー活動の場になると考えられ、その地でオリンピック関係者の協力を得ることは、活動に際して非常に有利になると考えられます。 そこで、二〇〇八年の北京オリンピックに当たり、都が北京オリンピックをどのように活用するつもりなのか、見解を伺います。 〇谷島東京オリンピック招致本部招致推進部長 北京オリンピックには、IOC委員のみならず国際競技連盟の役員やスポンサー企業など、いわゆるオリンピックファミリーが数多く訪れまして、先生のお話のように招致活動には大変重要な機会と考えてございます。 そこで、北京オリンピックの開催時期の前後も含めまして、東京オリンピック招致を紹介するブースの設置やオリンピックファミリーも交えたパーティーを開催するなど、さまざまな招致活動を展開していく所存でございます。 〇鈴木(隆)委員 今答弁であった、特にオリンピックを紹介するブースの設置とかパーティー、要するにある程度日本が目指していることを外国の方に直接我々からメッセージを伝えられるという場は非常に大事になると思いますので、このような招致展開はぜひ積極的な対応をしていただきたいということもあわせて要望をしておきます。 また、アジア大都市ネットワークにおいて北京が会議から脱退するなど、都と北京との関係には課題があることも承知をしております。オリンピック招致実現に向けて、今後ぜひ友好な関係を築いていただくよう、あえて要望をしておきます。 オリンピック招致を実現していくには、今後三年間、あらゆることを想定し緻密な招致戦略を立てていくことが重要であります。二〇一二年のオリンピック招致の例を調べましたが、立候補ファイルを提出した五都市のうち、IOC評価委員の評価が一番高かったのはパリでありました。にもかかわらず、最終的な投票でロンドンが勝利したのは、IOC評価委員の評価結果の発表後、ロンドンが精力的にロビー活動を展開した結果といわれております。都もそうした分析は行っていると思いますが、こうした事実をきちんと見据え、計画策定や機運盛り上げ、ロビー活動など、招致活動を全体的に考えて対処していかなければなりません。 そこで、最後に今後三年間の招致活動の進め方と決意について本部長にお伺いいたします。 〇熊野東京オリンピック招致本部長 オリンピック招致を実現するに当たりましては、緻密な大会計画の策定、招致機運の盛り上げ、都市の魅力の向上、積極的なロビー活動、こういったことが極めて重要であると認識してございます。とりわけ招致機運の盛り上げあるいはロビー活動につきましては、さまざまなチャンネルを通じまして、IOC委員はもとより、できるだけ多くの方々に訴えていくということが必要でありますし、また、三年後のコペンハーゲンに向けましては、時間軸をどうしていくか、こういった要素も大変重要であろうというふうに認識してございます。 今後の招致活動におきましては、外部招致組織やJOCと連携しつつ、国の全面的なバックアップを受けて、都議会はもとより、都民、国民の幅広い協力を得ながら複合的、戦略的に活動を展開いたしまして、全力を挙げて熾烈な招致レースを勝ち抜いてまいりたいと考えております。 〇鈴木(隆)委員 我が自民党は、今後もオリンピック招致議連の中心となって、今日提案した内容の実現を含め、積極的に招致活動を展開していくことを表明して、質問を終わります。 2006年11月2日 事務事業ついて 〇鈴木委員 私からは、出納長、収入役の廃止ということに関して、私は区議会の方も十八年、都議会で二年ですが、区議会の方をやっていて、出納長室または収入役室というのは、いろんな面で役割を非常に果たしているというふうな思いがありますので、その件に関して質問を随時させていただきたいというふうに思います。 東京都では、本年七月に行財政改革実行プログラムを発表し、平成二十年度までの三カ年の間に、スリムで仕事ができる効率的な都庁を実現するとしております。行政においても、どれだけのコストをかけて、どれだけの成果を生み出せるかが厳しく問われている中、私は都民の期待にこたえる都政運営を実現する上で、このプログラムを着実に推進していくことが重要であると考えています。 そこで、このプログラムの中において示されている出納長室の見直しについて、特に適正な会計事務の確保という観点から、順次質問をさせていただきます。 一点目として、行財政改革実行プログラムの中で、検査、指導体制の強化が示されています。当然これは会計事務をより適正に実施していくための取り組みでありますが、適正な会計事務の確保について、出納長室はどのような役割を担っているのかを伺います。 〇関副出納長 地方自治法では、地方公共団体の会計事務において、支出を命令する執行機関から、その内容を審査する私どもの会計機関を分離することにより、牽制機能を発揮し、会計事務の適正性を確保することとしております。 こうした法の趣旨に基づき、出納長室は、一般会計及び特別会計について、独立した会計機関として個々の支出命令を厳正に審査しているところでございます。また、効率性の観点から、一件当たり百万円未満の支出命令については、各局に特別出納員を設置し、審査の委任を行っております。 こうした審査に加えて、出納長室は、各局が行う個々の会計事務に関しまして定期や随時の検査を行うとともに、会計処理につきまして、研修や指導の実施などにより、適正な会計事務の確保に努めているところでございます。 〇鈴木委員 ただいまご答弁がありましたように、出納長室の役割は適正な会計事務の確保にあるということは間違いありません。この適正な会計事務を確保し、都民の信頼にこたえるという観点から、私もこれまで注目をしてまいりました出納長から会計管理者への移行を中心とした組織の見直しについて、お伺いをしたいと思います。 この内容を盛り込んだ今回の地方自治法改正は、平成十七年十二月九日、第二十八次地方制度調査会から内閣総理大臣に対して提出された、地方の自主性・自律性の拡大及び地方議会のあり方に関する答申の内容を受け、国会に提出されたものと聞いております。 そこで、出納長及び収入役制度の見直しに関し、組織に対する影響について質問をいたしたいと思います。 地方自治法の一部を改正する法律が平成十八年五月三十一日、参議院本会議において可決成立し、同年六月七日に公布されましたが、このうち出納長、収入役制度の見直しに関し、今回の出納長、収入役制度の改正の趣旨と、その具体的な内容についてお伺いいたします。 〇関副出納長 今回の改正は、出納長、収入役を廃止するとともに、現行の副知事、助役の制度を見直すものであり、地方公共団体がみずからの判断で適切なトップマネジメント体制を構築できるようにしたものでございます。 会計事務につきましては、特別職でございます出納長、収入役は廃止するわけでございますが、適正な会計事務の必要性には変わりがないことから、一般職の会計管理者をその責任者として設置することとなります。 なお、この改正法は平成十九年四月一日から施行されますが、施行時に在職する出納長、収入役は、施行日以降も、その任期中に限り、在職するものとされております。 〇鈴木委員 そういうことですよね。今、出納長、収入役を廃止し、各地方自治体がみずからの判断で副知事の増設や、知事から副知事への権限移譲などトップマネジメントを強化できるような改正である、そうはいっているわけでありますが、果たしてそういうことで本当にいけるのかどうかという疑問を、やっぱりここでは呈しておきたいというふうに思います。 もう一方でいいますと、先ほど我が党の村上委員がいいましたように、公会計制度をある面で地方に発信し、都としてそれなりの地方自治の発展に寄与するための役割を担いたいといっている部分が、先ほど答弁になっているわけですね。そうなりますと、実際にそういうことも含めて、出納長室が今後どういうようになっていくのかという面もある。後ほどこれはちょっと伺いますが、その辺もここで一応私の方からは指摘しておきたいというふうに思います。 その上で質問をさせていただきますが、現行の地方自治法では、会計事務の適正な執行を確保するため、収支に関する内部牽制制度として、職務上独立した権限を有する会計機関を設け、出納その他の会計事務を担わせています。今般の改正で、特別職たる出納長、収入役を廃止するとともに、一般職の会計管理者を置くとのことでありますが、そこで、一般職の会計管理者を設置することに関し、長の補助組織の一つとしてではなく、今後も独立した組織としての位置づけを考えているのかどうかを伺います。 〇関副出納長 今般の地方自治法改正に関しまして、総務省は、会計事務に関し、引き続き独立の権限を有する会計管理者を置くことにより、適正な会計事務の執行を確保することとしております。また、会計管理者の独立性を確保するため、指揮系統を明確化するとの趣旨から、規則で、会計管理者の事務局を設けることができるものとされております。 都においても、法の趣旨を踏まえ、適正な会計事務を確保する観点から、会計管理者の事務局を独立した組織として検討しているところでございます。 〇鈴木委員 答弁にあるように、独立の権限を有する会計管理者につき、事務の執行においても独立性が保たれるよう規定をしていると。会計管理者が一般職と位置づけられたことから、他の局の一部として編入されることを、私としては不安視もしております。私は自治体行政とは、どのようなすぐれたトップが運営したとしても、独善的な結果に陥る可能性はあるというふうに考えます。これまで出納長や収入役は、長に対する牽制機能を果たすとともに、トップマネジメントの補佐役としても、会計事務にとどまらず、政策全般にわたる貴重なアドバイザーであったというふうに私は思います。 今回の法改正は、その実態に対する理解がやや不足をしているのではないかとも私は考えており、残念な面もあります。今後は、新体制の中にあっても適正な会計事務を確保できるよう取り組むことが、何よりも重要であるというふうに考えます。 そうした観点からお伺いいたしますが、新しい会計管理者は、他の部局の長が兼ねたり、他の局と統合することがあるのかどうかを伺います。 〇関副出納長 総務省の見解におきましても、会計管理者の職を一般の部局の長が兼ねた場合、当該部局における事務について、執行機関と会計機関の分離が不明瞭となり、適正な会計事務の執行の確保に支障を来すおそれがあるため、兼職はできないとしております。 また、他の局との統合についても、同様の考え方から、会計管理者は一般の部局とは別途に置くこととされております。 私ども都においても、こうした地方自治法改正の趣旨を踏まえまして、具体的な組織について条例等の改正を現在検討しているところでございます。 〇鈴木委員 答弁で、兼職はできない、会計管理者は一般の部局とは別途置くこととされているということでありますので、一般の部局からは独立した組織であるということはわかりました。一般職の会計管理者においても、これまでの特別職たる出納長、収入役と同様に、会計事務に関して内部牽制制度としての機能を果たし、会計事務の適正な執行を確保する必要と責任が求められます。 そこで、特別職の出納長を廃止し、一般職の会計管理者を置くことに際し、新しい体制の中で、この重要かつ適正な会計事務の執行をどのように確保していくのかをお伺いいたします。 〇関副出納長 会計事務の適正な執行の確保は、先生ご指摘のとおり、都民の信頼にこたえていく上で極めて重要でございます。今般の地方自治法改正においても、適正な会計事務の必要性に変わりがないということを前提としており、会計管理者と出納長の会計事務に関する職務権限自体に何ら変更もないとされているところでございます。 出納長室としても、今後、会計事務の質的向上や審査のさらなる充実に加えまして、オーダーメード研修や確認検査など、柔軟で適正な検査指導体制を構築し、引き続き適正な会計事務の執行の確保に努めてまいります。 〇鈴木委員 答弁でわかりました。会計事務の適正な執行の確保がいかに重要であるか、また、そのために出納長から会計管理者への移行が行われたとしても、これまで同様に独立した牽制機能が不可欠であることについて、多少は議論ができたのではないかというふうに思います。 今後、出納長室は、都民から託された公金を適正に執行するとともに、今年度から導入された公会計制度改革を着実に実施するなど、適正な会計事務の確保に取り組んでいく必要があると考えます。 そこで最後に、適正な会計事務の確保に向けて、出納長の決意を伺います。